2011年01月30日

SolidWorks が語る Immersive な世界

数日前に SolidWorks が新しい製品レビューの可能性についてアナウンスしています。Post3D という製品を利用することで、Web 環境の中で「イマーシブ(immersive)」なレビューが出来るということです。


と言っても、これだけでは分かり難いですね。古い辞書では Immersive という言葉自体が載っていなかったりしますが、Immersive (イマーシブ)な・・・というのは・・・うーん、うまく説明できませんので、以下のビデオを見てください。



このビデオは録画したものを単純に再生しているのではなく、映像を再生する時点で「見ている視点を自由に変化させる事が出来る」という機能を利用して、再生中にスキーヤーの状態を前や下や後ろから見ている・・・という状況を更に録画したものです。

普通ビデオに録画したら、録画した時の内容がそのまま再現される・・これは当たり前ですが、ここで行われているのは、予め 360度全方向を一度に録画しておき、再生時に自由な視点からそれを見るということですね。

このように「操作する視点を 3次元空間の中で自由に移動させるようなこと」を説明する場合に Immersive な処理ができる・・などと言うのですね。

さて、そのような Immersive な世界を Post3D という製品を利用することによって体験し、利用することができるようになったと SolidWorks が言っています。

もちろん、これらの技術が完全に実用化されるためにはこれから沢山の改善が必要になるでしょうが、ここで表現されている内容は、今後の設計・製造分野での製品レビュー、技術レビューなどの環境にこうした Immersive な世界が投入されて来るということを示唆しているようです。

以下は、Post3D に関する SolidWorks からの説明ビデオです。



製品設計には、調査、要求仕様の定義、初期コンセプトの構成、設計内容の検証、プロトタイプ・コンセプトの定義、設計内容のテスト、最終内容の検証、などなど多くのプロセスを経なければなりませんが、そうした各フェーズで内容のレビューが行われます。

もちろん一人、または、ほんの数人が全てをこなす様な小さな開発では、レビューも何も、本人達の気持ちや思い込みでプロセスを進めることが多いでしょうが、少なくとも PLM という製品設計管理を導入しているような企業では、関連する様々な要素を各レビュー段階で洗い出し、検討・検証しておかなければ後工程の製造や量産場面で大きな損失が生まれ、本来のコンセプトを損なうばかりか、プロジェクトその物が現実的でない理想の産物に終わってしまうということにも成りかねません。

そういう意味でレビューというのは一つの関門として非常に大切なものです。

そうしたレビューを行うためには、関係するメンバーが一堂に会して多方面からの分析・評価を同時並行的に行うことが効率的です。

Post3D はそうしたレビューを行う担当者を Web 上の同じ空間(部屋)に集め、かつ、設計した 3D イメージ(モデルデーター)をその部屋の中で共有してレビューが行えるツールとなっています。

レビューする部屋を選択し、そこに設計したモデルデータを送り、レビューする各メンバーがその部屋に入れば、その部屋の中で 3次元モデルとなった設計内容を、ネットを介して世界中から同時にレビュー出来るということですね。

Image1.jpg


もともとこういったバーチャルな世界と PLM に代表される CAD/CAM の世界とは技術的な根幹が異なるため、お互いに相容れないことを自覚しながらそれぞれの技術が発展してきました。

しかし、ここにきてインフラとしてのネットワーク技術の発達と、クライアント側でのクラフィックス性能の向上、テクスチャー、ポリゴン、物理演算能力など、沢山の技術の発達によってこうした技術が組み合わされる世界が出来上がってきたと言えますね。

設計のコラボレーションという課題は「古くて新しい問題」でもあり、常に斬新なアイデアが試されながらも決定打が生まれない・・というジレンマを抱えた歴史を持っています。

SolidWorks が見せてくれるこうした可能性がどこまで現実の成果を生み出すか?
今後とも注目していきたい内容です。

 
 
posted by monoya_kihara at 02:54| Comment(0) | TrackBack(0) | CAD/CAM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月11日

Mastercam の中々面白いレトリック

Mastercam にしては中々面白いブログ記事がありましたので、紹介しておきます。

Mastewrcam のこのブログ記事は ここをクリック してください。

Image4.jpg


The Tortoise and the Hare in 2011 Manufacturing とタイトルされた記事で、2011年の製造業を「ウサギとカメ」の話に例えて表現しています。本年は日本(アジア)の暦で兎年に当たることを見込んでの話・・・であるとは思いませんが、以下はそのザッとした内容です。


2009年は我々製造業に関わる者にとって間違いなく苦しい年であった。皆一様に受注減に苦しみ、ぞっとする程の悪い流れが生まれて需要が抑圧されてしまった。年は替って 2010年には劇的な株式市場の回復と製造業にまた光が差し始めた兆候が見えた。では、2011年はどうだろうか?

2つの言葉に象徴されるだろう・・・用心深く、そして、楽観的という2つの言葉だ。

株式市場の高騰とか、雇用の拡大を示す数字や昨年末の消費者市場の動きなどがその主な理由ではない。もちろんそうした数字も嬉しいものではあるが、それらは何時も不規則で信頼するに値しない。

ではなぜ楽観的かと言うと、過去 2年間のカオスとでもいうべき不確実な状況の中にあっても、製造業はコツコツとゆっくりではあるが確実に成長をしてきたからだ。そしてもちろん製造業は経済活動全ての確かなる基盤であるということだ。

それは、どのように確かなのか?

Supply Management index of U.S. manufacturing reports というレポートによると、製造業は 17か月に渡って速度は速くないが着実に成長を続けていることが示されている。そこに示される指標は、全てが 50代の半ばから上の数字を示している。これらの指標は 50を超えると急成長していると解釈されるものだ。どの分野の成長も良い兆しであるが、17か月に渡る連続した成長というのは控え目に見ても信頼出来るものであると言えるだろう。

我々が子供のころに学んだ「ウサギとカメ」の話のように、ゆっくりでも着実な歩みが勝利を得ることもあるのだ。



Mastercam のブログにしては、中々面白い示唆に富んだ内容だと思います。

経済的な側面を Mastercam が語るなどとは? ・・思いませんでしたが、とにかく製造業の厳しさも理解した上で、将来を楽観的に見ようというシグナルですね。

確かに、ゆっくりでも着実な歩みが勝利を得ることがあります。

Mastercam こそその筆頭に挙げられると思うのは私だけではないでしょう。市場の動きではなく「製品機能」で見れば、Mastercam はどちらかと言うと「カメ」の部類に入りますね。競合メーカーが新しい機能や試みを発表したり搭載したりしても、それら競合製品の機能に直ぐに追従することもなく、昔ながらの細かい機能アップを重ねながら、ある程度の時期を見て必要な機能を搭載してくる。これこそ「カメ」の戦略か? と言えますね。

ということは、このブログは、「いろいろな競合メーカーが、いろんな新機能を搭載しているようだが、あわてるな! Mastercam を使い続けていれば、それらと同等な機能も自然にバージョンアップされて使えるようになる。新しいことにせっかちになると失敗も多いが、それらが既知の内容になった時に溜め込んだノウハウと共に十分に活用すれば市場で競争力を発揮できる。実際の刈り取りは我々に任せておけば良いのだよ!」

というメッセージなのか?

「確かに、Mastercam は機能面で競合に先を越されることも多い・・・、それは認める。でも、製造業はそう簡単には変わらない。着実な方法で確実に原価を下げ、品質を上げる、この繰り返しこそが勝利を勝ち取る道なのだ。競合と比べると確かに機能面でストレスを感じることも多いだろうが・・・まあ、少しの間我慢してくれれば何時も遅ればせながらも機能アップするじゃないか! ちょっとだけ待ってくれれば良いだけだろ?」

という経済分析に見せかけた言い訳メッセージなのか?

はたまた、冒頭にも書いた今年はアジアが兎年であることを示唆して、

「いろいろな政策もあって、これまでは中国が走り回るのを黙認してきた。しかし、今後はそうそう楽をさせるつもりはない。アメリカは製造業や産業を復活させるのだ。金融危機を乗り越え、輸出国へとまた変貌する。確かにその変化のスピードは遅いかも知れないが、必ず勝つ!」

という政治的メッセージなのか?

その真意は分かりませんが、たまにはこうしたメッセージも面白いものですね。
Mastercam は誰か経済評論家でも雇ったのかな?

 
 



タグ:Mastercam
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2010年09月28日

Mastercam X5 のスネーク・プレビュー

Mastercam X5 のスネーク・プレビューとして Mastercam Extras に記事が出ています。

Mastercam X5 Sneak Preview 1: Smart Hybrid Finishing ということで、X5 の Finish がよりスマートに、ハイブリッドに行えるということです。

記事によりますと、X5 では一つのツールパスの中で2つのカッティング方法を組み合わせて処理できるということです。

Z を固定したカッティングからスカロップを固定したカッティングへのスムースな移行できるため、少ない作業量でこれまでにない素晴らしい仕上げ状態を作れるということです。

X5 finish1.jpg


リンクはここから
http://blog.mastercam.com/2010/09/mastercam-x5-sneak-preview-1-smart.html

また、Mastercam is World Class Machining というタイトルで YouTubeビデオがあがっています。

Mill / Turn ツールパスによって Globe 地球儀をカットしているビデオですね。
こうしてほぼ完成までのビデオを見れるというのもネットの技術の進歩による恩恵ですね。もっともっと参考になるビデオを作成して見せて欲しいものです。


Mcam 1.jpg


Mcam 2.jpg





posted by monoya_kihara at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | CAD/CAM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする